釉薬(ゆうやく、うわぐすり)とは、陶磁器の表面コーティングのようなもので、器に表情を出したり、水分や汚れが染み込みにくくなるそうです。釉薬にもいろいろな種類があるそうですが、草木の灰を主な原材料にしたものを灰釉(はいゆう、かいゆう)と呼ぶそうです。私も釉薬については初めて知ったことがほとんどなので、詳しくは調べてみてください。

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今回の試みは、利府梨の剪定枝を使って何かできないかという梨農家の思いと、地元利府町在住の陶芸家の地元ならではの焼き物が作れないかという思いが合わさって実現しました。

ちなみに剪定後の切り口には、殺菌剤を塗って雑菌などの侵入を防ぎます。絆創膏のような役割ですね。剪定した枝の本数を考えると、この作業も非常に大変そうです。

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さて、本題の灰づくりですが、これが思いのほか根気のいる作業でした。みなさん、バーベキューをしたときなどに炭で火をおこすまでは経験されている方が多いと思いますが、その後の灰まで意識することは基本的にないですよね。私も、燃えきった炭が底の方で灰になって溜まっている印象だったので、燃やし続ければいいように思っていました。

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それが、なかなか灰にならないものです。意識しないと、いつの間にかあるような気でいましたが、作ろうと思うと調度いい炭火の状態がずっと続き、もったいなくて何か焼いて食べたいようなに気になります。結局、一晩かけることになり、私は最後まで見ることができませんでしたが、無事に灰が作れたそうです。

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また、利府町内にある三陸自動車道春日パーキングエリア建設の際の発掘調査では、古代陸奥国府が置かれた多賀城などに様々な製品を供給した、奈良・平安時代の窯跡が発見されたそうです(春日パーキングエリア内の一角に展示室が設けられています)。焼物の歴史もあるということで、ゆくゆくは「利府焼」と呼べるような特産品が生まれたら面白いですね。